Q88 ゲストに上司を呼んでいるが「挨拶はしたほうがよいのかな?」と先に言われてしまいました。挨拶はお願いしないとだめですか?

上司が乾杯の挨拶
しきたり・マナー


親族と会社の上司や同僚、学生時代の友人などをお招きする予定で、先日、会社の上司に招待状を手渡しに行った際「挨拶したほうがよいのかな?」と聞かれました。実は私達が希望している結婚式は、ふたりの挙式に立ち会ってくださったゲストの皆様にゆっくりとお食事を楽しんでいただきたいという内容。「来賓挨拶」のようにカチッとしたスピーチは無しにしたいと思っていたのですが、よくないことでしょうか。

心配しないでください。悩む必要はまったくありません。きっとその上司の方は、「自分を招くなら挨拶を頼まれるだろう」と気遣って声をかけてくださっただけだと思います。まずはそのお気持ちを素直に受け取り、思い詰めなくて大丈夫ですよ。

あなたたちの場合、その上司を含め誰にも挨拶を依頼しないスタイルで披露宴を考えているのですから、早めにその意向をお伝えすることが一番です。結婚式の形は時代とともに変化していて、挨拶なしのプログラムも今では決して珍しいものではありません。丁寧に説明すれば、きっと理解していただけます。

例えば、こんな風にお伝えするのはいかがでしょうか。


「私たちの結婚式は、ご出席いただく皆さまにご負担をかけず、同じ目線で一緒に楽しんでいただきたいという思いから、挨拶のない構成にいたしました。担当プランナーと相談しながら進めており、両親にもすでに了承を得ています。
〇〇様にも、ぜひ私たちらしい結婚式に立ち会っていただけたら嬉しいです。ご出席いただけたら、きっと両親も喜ぶと思います。どうぞよろしくお願いいたします。」


上司の方によっては、せっかく招かれてもスピーチが終わるまで落ち着かず、料理をゆっくり味わえない…そんな風に緊張してしまう場合もあります。挨拶をお願いしないことは、むしろその方を思いやった配慮でもあるのです。

また、披露宴の歓談時間にふたりで上司のもとへ伺い、感謝を直接伝える時間を作るのも素敵な方法です。
事前に「このタイミングで一緒にご挨拶しようね」と段取りを決めておき、

「いつも仕事で助けてもらっている〇〇さんです」

と彼から紹介してもらうと自然で、上司の方も嬉しく感じられるでしょう。


オリジナルのプログラムは、ふたりの我儘ではなく「ゲストへの負担を減らしたい」という思いやりから生まれるものです。そういった気遣いのある進行は、大人らしく温かな印象を与え、きっと素敵な結婚式になりますよ。

イラストtocco

\あなたの想いを形に/

安部トシ子

オフィース・マリアージュ(代表・安部トシ子)は1983年、南青山に誕生し、40周年を迎えました。結婚式の現場を担い続け、一組ずつ丁寧に心を込めてサポートする...

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