姉と母の思いが交わる瞬間

感動ストーリー100

挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。

ご新婦は、挙式の中でおこなわれるベールダウンをお姉様に依頼していました。お母様は、ご新婦が学生時代に病気でお亡くなりになったとのこと。ご新婦にとってお姉様は、母親代わりの存在でした。時には厳しく叱咤し、時には優しく包み込むように寄り添い、いつもご新婦を支えてくれた存在だったのです。

ご新婦が打ち合わせで語ってくれたお姉様との思い出しました「姉は私が産まれたとき、嬉しい反面、両親を取られてしまうのではないかと少し複雑な感情があったそうです。けれど私は姉が本当に大好きで、いつもくっついていました。でも、母が亡くなってからの姉はすごく大人になっていた気がします。母親代わりとして私を守ってくれていたのに、私は文句ばかり言って困らせていました。でも、姉がいてくれたから、ひとりで過ごす時間が少なく、寂しさを感じずにいられました。本当に感謝しています」と話すご新婦の姿には、お姉様への深い感謝の思いがにじんでいました。

式が始まり、お姉様はゆっくりとご新婦の元へ歩み寄りました。ベールダウンの瞬間が近づくと、会場全体に静寂が広がります。ベールを下ろすお姉様の優しい微笑みには、かけがえのない時間を共に過ごしてきた姉妹の深い愛情が感じられます。ご新婦の目には溢れそうな涙、言葉にならない感謝の気持ちが伝わってくるようでした。

そのお姉様の手元には、お母様の形見である結婚指輪が輝いていました。お母様が大切にしていたその指輪は、家族の大切な思い出が詰まった宝物です。ベールを下ろしながら「おめでとう、お母様も見守っているからね」と優しく声をかけるお姉様。その言葉に、ご新婦の心には、まるでお母様がそばで見守っているかのような温かな感情が込み上げてきました。

お姉様が差し出した手には、お母様の笑顔が重なるように見え、会場の誰もが胸を熱くしました。姿は見えなくても、指輪を通じてお母様の存在が確かに感じられ、ご新婦を優しく包み込んでいるように思えたのです。お姉様は、まるで亡きお母様との絆を再確認させるかのように、その瞬間をご新婦に届けてくれたのです。

お姉様の目にも涙が浮かんでいました。お母様の代わりにご新婦を送り出す誇らしさと、これまでの日々への想いが詰まっていました。まるで「ありがとう」とお母様に感謝されているかのように感じたのでしょう。二人の姉妹の深い絆は、その場にいる全ての人々に愛と家族の力強さを強く感じさせ、深い感動を呼び起こしました。

チャペルディレクター 松永

花嫁相談 編集部

花嫁相談 編集部 現役プランナーで構成する花嫁相談編集部。結婚準備を楽しく悩みの解決に役立てていただける記事を配信しています。 ここに無い質問やご相談はお気...

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