Q38 両家のゲスト人数が極端に違う

席次表のイラスト
しきたり・マナー

彼はフリーランスで働いているので結婚式に仕事関係者を呼ばす、出席者は友人数名と親族のみです。私は職場の同僚や上司も呼びたいのですが、招待客のバランスはおかしくないでしょうか。彼のゲストが居心地の悪い思いをするのでは、という点でも悩んでいます。

招待客数の違いは避けるべき?

結論から言うと、招待客数に多少の差があっても、過度に心配する必要はありません。
披露宴が始まってしまえば、どなたが新郎側で、どなたが新婦側なのかは、実はそれほど分かりにくいものです。

受付についても工夫ができます。両家を分けずに、あいうえお順やABC順などでまとめて受付を行えば、人数差はほとんど気になりません。
両家のご祝儀を分けたい場合は、新郎側のゲストの芳名カードやご祝儀袋に小さく印をつけておき、後でまとめる袋を分ければ問題なく対応できます。ゲストに違和感を与えることもありません。

披露宴の席次について

披露宴のお席も、必ずしも新郎側・新婦側ときれいに線引きをする必要はありません。
年齢や立場、雰囲気などを考慮し、「この方たちなら自然に会話が生まれそう」と思えるゲスト同士を同じテーブルにすることで、新しい交流が生まれることもあります。

席次表についても、あえて肩書きを入れず、お名前だけを記載するケースもあります。そうすることで、どちらのゲストかが目立たず、全体として和やかな雰囲気になります。
最近は「両家がひとつになる場」として、あえて混合スタイルを選ばれるカップルも増えています。

挙式会場での工夫

挙式についても同様に、人数差があっても調整は可能です。
キリスト教式の場合、親族までは新郎側・新婦側に分け、ご友人席は「こちらの方が近くで式をご覧いただけます」と案内しながら、多い方のゲストを少ない方へ誘導することもできます。こうした対応が可能かどうか、事前に会場スタッフに相談してみましょう。

「新婦のゲストは新婦側、新郎のゲストは新郎側に座ってもらいたい」という場合でも、着席の間隔を調整することで、人数差を目立たなくする方法があります。見た目の印象は、想像以上に工夫次第で変えられます。

また、「人数が少ない方のゲストに肩身の狭い思いをさせたくない」と心配される方も多いですが、今は昔ほど両家の人数バランスを重視しない時代になりました。
ひとりっ子同士の結婚も増え、叔父・叔母・いとこが少ないご家庭も珍しくありません。特別な事情がなくても、ゲスト数に差が出ることは自然なことなのです。

それでも気になる場合は、例えば「新郎がフリーランスで仕事の形態が一般的な会社勤めと違うこと」などを、おふたりからさりげなく伝えると、ゲストにも理解してもらいやすくなります。

親から意見が出た場合は

ただし、両家の親御さまのどちらかから「人数は合わせたほうがいい」という強い意見が出た場合は、その声には一度きちんと耳を傾けましょう。
以前、同じようなケースで、新郎側の親御さまから「そちらが人数を合わせるのが当然では?」と言われ、新婦側が調整をされたこともありました。

そのような場合は、披露宴だけ人数を合わせ、招待できなかったゲストを二次会や別日のパーティにお招きするなど、柔軟な方法を検討できます。
ここで「どうしても譲れない」と自分たちの考えだけを通してしまうと、後々までわだかまりが残ってしまうこともあります。

結婚式には、日程や人数、形式など、事前に親の意向を確認しておいたほうがよいポイントがいくつかあります。
まずは両家の親御さまがどう感じているのかを知り、その上で、おふたりにとって無理のない落としどころを見つけていくことが大切です。上手にバランスを取りながら、気持ちよく当日を迎えられる準備を進めていきましょう。

イラスト tocco

この方にお聞きしました。安部トシ子さん

安部トシ子

【プロフィール】1983年、南青山にウエディング・プロデュース会社㈱オフィース・マリアージュを設立。花嫁さんにとって結婚式が人生の宝物となるよう39年間サポートし続けているウエディング・プロデューサーの草分け的存在。各種講演やブライダル誌での監修や執筆など幅広く活躍。『25ansウエディング』では35年間花嫁の多様な質問、悩みに答えている。
《書籍紹介》
著書 「安部トシ子の結婚のバイブル」(発行 アシェット婦人画報社)、「いい結婚式ってなんだろう」(発行 エイジェイ出版)
監修「育ちが良いと思われる50の習慣」(発行 宝島社)、「大事なところをきちんと押さえる結婚の段取りとしきた(発行 マイナビ) 他

花嫁相談 編集部

花嫁相談 編集部 現役プランナーで構成する花嫁相談編集部。結婚準備を楽しく悩みの解決に役立てていただける記事を配信しています。 ここに無い質問やご相談はお気...

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