和装の花嫁さんから問合せ殺到！Instagramで大人気「玉かんざし」

結婚式当日はウエディングドレスを着るけど、前撮りは色打掛でしたい！という花嫁さんが多い現在。和装の髪型や小物など、もっと情報が欲しいという声があがっています。今回の特集は和装スタイリストで独自のヘアアクセサリーでInstagramで人気の、石川県金沢市を中心に全国で花嫁支度をされているBlue Heaven（ブルー・ヘヴン）yukinoさんに和装の花嫁さんの髪型や小物についてお話をお伺いしました。

ここからトークスタート

寺谷プランナー：いつもインスタグラムを拝見しています！特に「玉かんざし」は本当に可愛いですね！手作りと伺っておりますが、どうやって生まれたものですか？

Yukinoさん：婚礼で使うものだから、角の無い丸いものを作りたいなと思ったのがきっかけです。以前、服飾の仕事をしていたから他の人が使っていないものを自分の手で作れるのではないかと思って始めました。最近は似たようなもので販売されているものもあるけれど、オーダーで作っているので花嫁さんが選んだ、きものの色や柄にあわせて、「玉かんざし」も色や柄の組み合わせやバランスを考えて作っています。実は花嫁さんのお顔、頭の大きさや髪質にあわせて量のバランスも考えているんです。

寺谷プランナー：Instagramで拝見してると彩り豊かで、柄がバランス良く入っていてお洒落だ！と思っていたのですが、すべて手作りなんですね？！生地の手配はどうするのですか？

Yukinoさん：花嫁さんのきもの柄に合わせることが多いので、ご依頼の内容ごとに入手しています。実際には花嫁支度の打合せ時(ヘアメイクリハーサル時)にご依頼をいただいて制作します。ご遠方でインスタグラムからご依頼いただく方には衣装のお写真を送って頂いたりして制作しています。ご依頼が集中するとオーダーを制限することも多く、ご希望のかたは納期に余裕持ってご相談ください！

寺谷プランナー：yukinoさんとは伊豆の温泉ウエディングを一緒にサポートさせていただきましたがとにかく、お持ちのかんざしの量がとても多いという印象でした。

Yukino:.わかりやすく言うと、花嫁さんにとって「ドラえもんのポケット」という存在で居たい！ご要望をいただいたらＮＯを言いたくない、「もちろんありますよ！」って取り出したいという思いから無いものは作るので、どんどん種類も色も素材も増えて、持ち運びが大変なくらい増えてしまいました(笑)

寺谷プランナー：「ドラえもんのポケット」いいですね！yukinoさんの支度風景はとっても楽しくて花嫁さんも笑顔が多かった！当日のワクワク感がさらに増して朗らかで良い雰囲気だなと感じていました。さすがドラえもんです！（笑）

寺谷プランナー：花嫁さんによく聞かれるのですが、頭につけるものは誰が持っているものなんですか？

Yukinoさん：髪につけるアクセサリーや、綿帽子・角隠し、かんざしなど、どこに頼めばよいかよく聞かれます。洋装の場合は、ボンネ・ティアラ・ヘアアクセサリー　は衣裳店が用意しています。

和装の場合は、綿帽子は衣裳店で、角隠し・かんざしは美粧（ヘアメイク）が持っています。

もちろん鬘(かつら)も美粧(ヘアメイク)が用意します。鬘(かつら)はレンタルされる所が多いように思います。私は鬘(かつら)も花嫁のお顔立ちに合わせたいので自分で持っています。綿帽子はきものの生地に合わせてつくることから衣裳店が持っている場合が多いと思います。

寺谷プランナー：鬘(かつら)よりも洋髪希望のかたが多いと感じますが鬘(かつら)を使用されなくても美しい花嫁をつくることはできるのでしょうか。

Yukinoさん：最近は鬘(かつら)をつけずに洋髪で綿帽子を被りたいという花嫁さんのために、鬘ではなくても膨らみがでる洋髪専用の金具があります。弊社が使用している金具は前にも後ろにも膨らみがついているから綿帽子がぺちゃんこにならず、お写真も美しく残せています。

金具などの道具は少しずつ進化しているので、花嫁支度をされる美粧(へメイク）さんによって用意される金具が違います。私は常にアップデートして美しい花嫁姿になっていただきたいと努力は惜しみません。綿帽子もサイズ違いで洋髪用のオリジナルを作ってます。衣装点が用意される綿帽子が当日大きすぎたり、柔らかすぎる事もありますから現場を預かる私達の準備しだいだと思います。

ちなみに角隠しは鬘(かつら)でないとつけられません。角隠しは美粧（ヘアメイク）の持ち物なのでこだわって用意しています。芯が入っていないと張りが出ず綺麗な形をつくれないのです。

寺谷プランナー：昔、結婚式のサポートで神社に伺ったとき、洋髪で綿帽子を被った花嫁さんを案内していたら、神社のかたに「なぜ鬘をすすめないのか？綿帽子がずれて目まで隠れてしまっています」とお叱りのお言葉をいただいてしまったことがありました。

Yukinoさん：私達は前撮りやフォトウエディングの時だけは洋髪に綿帽子お着けすることを受けていますが、挙式をされる時に綿帽子を着けられたい花嫁さんには鬘(かつら)にしてもらっています。洋髪で綿帽子は無理があります。神社のかたがおっしゃるように神前式の間、三々九度や玉串奉奠の時に綿帽子がズレたとしても私達が拝殿の中に入ることもできず直すこともしてあげられない。洋髪の時は綿帽子を着けずに式に臨んでいただきます。

寺谷プランナー：そうですよね、自分にちゃんとした知識があったら、花嫁さんにきちんと伝えられたのにと思い、それからは事前にお伝えをするようにしています。

鬘のことを、もう少し教えていただけますか？

Yukinoさん：鬘（かつら）の注意点として、鬘（かつら）の善し悪しで仕上がりがかなり変わることを知ってほしいです。きちんとメンテナンスがされていてサイズも幅広く用意されているか。そして、つける人の技術によってどれだけ自然に美しく仕上げられるのかが違ってきます。

ただ被せるのではなく、鬘（かつら）をつけたときに美しい位置を見極めてつけ、バランスを調整するのです。前方向に倒し過ぎても後ろ過ぎても良くなく、美しいとされる位置があります。それがわかっている美粧さんかを、事前に相談をしてみても良いのではないでしょうか。

寺谷プランナー：花嫁さん自身、鬘（かつら）に関する知識が少ないと思うので対応してくださる美粧（ヘアメイク）さんが鬘（かつら）のことを熟知されているのか、きちんと確認できれば安心ですよね。

そういえばyukinoさんが作られる花嫁さんのヘアスタイルは、かんざしや花のボリュームがとても多いと思うのですが。

Yukinoさん：最近はゲストもしっかりとヘアセットをしてお花をつけるかたもいらっしゃるので、ゲストとの違いを出さなくてはと思って華やかさをあげるため多めにつけています。結婚式は花嫁さんに最高の自分で居てほしいから。

最近、少し思うのは、そろそろドライの花より生花にしてほしいなと。ドライ花が流行っていたから、メルカリで安く購入されたり、ウエディングリレーという素敵な言葉もあるけれど自分の結婚式は自分にとって本当に特別なもので当日を迎えてほしいと感じます。

寺谷プランナー：違いがわかりました。単純にかんざしや花を多くつけられていたのではなく、確かに「花嫁」の風格がでていました！

本番やヘアメイクリハーサルの時に準備してほしいものはありますか？

Yukinoさん：ご自身でしたいイメージがあるのならその画像を。まだ固まっていなければ好みの画像を何枚か集めておいてほしいぐらいです。

花嫁さんに対する想い

寺谷プランナー：結婚式当日、yukinoさんは「花嫁ちゃん」と呼ばれていたと記憶していますがなぜですか？

Yukinoさん：綺麗より「可愛いい」を重視しています。常に「凛と可愛いい」がテーマです。だって結婚式は親御様からみて、お嬢様と呼ばれる最後の日だから「ご新婦」とか「花嫁さま」よりも可愛らしい愛される「花嫁ちゃん」でいてほしいからです。

寺谷プラナー：そういう思いがあったのですね。Yukinoさんのお人柄で周りが明るく、Instagramで拝見する花嫁さんも皆、柔らかい笑顔をされています！私も見習わないと！

「花嫁ちゃん」だけでなく花婿さんのお仕度、メンズメイクのおススメを教えてもらえますか？

Yukinoさん：メイクと言うより、整えるのが新郎のポイントです。ファンデーションを塗るのには理由があって、首との色のトーンを合わせることができたり、色白でひげが濃いことを気にされているかたはカバーもできます。あとは、眉ですが瞳の色にあった色で整えるようにしています。

寺谷プランナー：最近よく聞かれるのでおススメトーク、使わせていただきます！ありがとうございました。

■取材を終えて

yukinoさんが手がける花嫁さんは実際もInstagramもとびきり可愛く美しい。華やかな洋髪やお鬘や角隠し、綿帽子姿そしてきものの着付け全てがとても美しく、yukinoさんがおっしゃっている「凛と可愛く」そのものです。早朝からのお仕度の中、軽快なトークで皆を笑顔にしてくれながら、凛と可愛い花嫁さんに仕上げる。そのかたわら「こんなかんざしがあったら可愛い！」と自ら創り出すことができる。「パワフルなアーティスト」というイメージです！