Q10 挙式での新郎入場時、友人たちにひやかされるのではないかと心配

牧師と緊張している新郎
しきたり・マナー

2年前、都内のホテルで兄の結婚式がありました。我が家にとって初めての結婚式で、両親も楽しみにその日を迎えました。挙式がスタートし、チャペルのドアが開いて兄が凛々しく入場を始めたとたん、兄の友人たちが大声で笑ったり、ひやかしたりしたのです。母は「残念だったわ。あんなに大切な場面を息子の友達が壊してしまうなんて」と、とても悲しそうでした。がっかりした母の姿を見て、自分の時にはどうすればよいのかと心配です。

僕も兄と同じく、キリスト教結婚式をゲストハウスで予定しています。親の願いをかなえることも、結婚式を上げる大きな理由のひとつです。どうすれば兄のようにならないのか、何か気をつけることがあれば教えてください。

晴れの日に心ない態度は残念ですね。大人の振る舞いとはいえません。まして親しい友人が結婚式を台無しにするなど、親ごさんは想像していないはずです。同じ思いを親ごさんにさせないようにしましょう。

オフィース・マリアージュではたくさんの会場で挙式サポートを行っています。そのため会場の方からも似たお悩みを相談されることがあります。お会いしたことのない牧師先生からも、こんなお電話をいただきました。「花嫁さんの友人が大声で私語をやめないためにおふたりの大切な式を始められないときは、注意をしてもよいものでしょうか」「儀式の最中、小さなお子さまが泣いてもお母さんが適切な対応をしないので、ビデオに声が入ってしまいます。どのように注意すればよいでしょうか」

キリスト教式の変化

なぜ最近、そんな悩みが増えてきたのでしょうか? 私がこの仕事を始めた39年前から20年間くらいは、憧れの教会でキリスト教式の結婚式を挙げるカップルというのは、夢がかなった喜びでワクワク、ドキドキし、緊張感を大切にしてその日に向けて準備をしました。そこに集う友人たちにも、招かれる喜びと誇りがありました。今もカップルの半数以上はキリスト教式の儀式を選び、ゲストに見守られながら誓約をしています。近年は、ホテルやゲストハウスのチャペルも、街の教会に負けないほど儀式を大切に考える会場が多くなりました。

結婚式の参列者は、ただそこに座っているだけではありません。「ふたりの結婚の証人」という役割を担って、儀式に招かれているのです。参列する方々が、自分はどんな役割で招かれたのかを理解するチャンスが少なくなったからなのかもしれません。言い換えれば日本にキリスト教の結婚式が根付き、慣れ親しんできたという気がします。しかし日本古来から親しまれている神社仏閣での神前式や仏前式ではそのようなことは起きません。それは「空気感」からなのでしょうか。「神聖」「厳か」という言葉のイメージどおりの環境を、ホテルやゲストハウスのチャペルでも作り出すことはできると思います。

まずは会場の担当者に相談

まずは式を挙げる会場の担当者に相談してください。例えば式が始まる直前に、耳をすまさなければ聴こえないほど小さな音で讃美歌を流します。「もう始まるのかしら」と私語は止むはず。そのように、静かで厳粛な環境を作る方法は会場ごとにあるはずです。

キリスト教式でも人前式でも、挙式に参列するゲストひとりひとりがふたりの結婚式の誓いを見守り、結婚の承認をする立会人なのだということを理解いただけるように、スタッフや、司会から言葉で伝えてもらうことも良いと思います。

イラスト tocco

\心に残る一日を/

佐藤 陽子

ウエディング プランナー 出身地 東京都 「丁寧な結婚準備をサポートします」 料亭での和婚をはじめ、ホテル等でのプランナー歴15年。 【ウエディングサポート...

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