Q8 過干渉の母とのつきあい方

彼の母親が過干渉で、このままでは自分たちらしい結婚式ができなくなりそうです。どうしたら良いですか?

昔は、結婚準備の中心は親、特に母親が担うことが一般的でした。
招待状の差出人も新郎新婦ではなく親の名前、という時代も長く続いていたのです。どの家庭もそれが当たり前だったため、結婚するふたりも特に疑問を持たず、「そういうもの」と受け止めていました。
流れが変わってきたのは、今から25年ほど前。
「若いふたりが好きに決めていいのよ」という考え方が広まり、「友達親子」という言葉も定着しました。それに伴い、お姑さんとお嫁さんの関係性も変化してきましたが、今でも昔ながらの感覚で結婚準備を仕切りたいと思われる親御さまがいらっしゃるのも事実です。
新郎に姉妹がいない場合、「娘ができた」という喜びから、ドレス選びに一緒に行きたいと希望されるお義母さまもいます。また、
「息子に任せて大丈夫かしら」
「若いふたりの判断で、ゲストに失礼があったらどうしよう」
という不安から、つい口を出してしまうケースも少なくありません。
さらに、費用を親が負担している場合には「お金を出すのだから意見を言って当然」と思われていることもあり、干渉の度合いは家庭によってさまざまです。
親子で話し合うタイミング
どんな理由があるにせよ、過干渉が原因で関係がギクシャクしてしまうのは避けたいところ。だからこそ今は、結婚準備について親子で一度きちんと話し合うタイミングだと考えてみてください。
感情的にぶつかってしまうのは、お互いにとって損なこと。
あなたと彼が「自分たちにとって大切な結婚式」「一生の思い出になる一日」を真剣に考えていることを、落ち着いて伝えてみましょう。
同時に、彼のお母さまにも「子どもの結婚式に対する夢」があるということを、理解してあげてほしいのです。その上で、彼の口から
「お母さんから見れば気になることも多いと思うけれど、大切な部分は必ず相談するから、どんな結婚式になるか楽しみにしていてほしい」
と伝えてもらうのが理想的です。
親にとって、子どもは何歳になっても子ども。
人生経験が長い分、役に立つ知識や視点を持っていることも確かです。頭ごなしに「口出ししないで」と拒絶するのではなく、お互いの気持ちを理解し、察し合いながら進めていくことが、結果的に結婚準備をスムーズにしてくれるはずです。
イラスト tocco
\あなたの想いに寄り添う/
この方にお聞きしました。安部トシ子さん

【プロフィール】1983年、南青山にウエディング・プロデュース会社㈱オフィース・マリアージュを設立。花嫁さんにとって結婚式が人生の宝物となるよう39年間サポートし続けているウエディング・プロデューサーの草分け的存在。各種講演やブライダル誌での監修や執筆など幅広く活躍。『25ansウエディング』では35年間花嫁の多様な質問、悩みに答えている。
《書籍紹介》
著書 「安部トシ子の結婚のバイブル」(発行 アシェット婦人画報社)、「いい結婚式ってなんだろう」(発行 エイジェイ出版)
監修「育ちが良いと思われる50の習慣」(発行 宝島社)、「大事なところをきちんと押さえる結婚の段取りとしきたり」(発行 マイナビ) 他


















