サプライズジャケットセレモニー

サプライズジャケットセレモニー
感動ストーリー100

挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。

打合せ時に、ご新郎が席を立ったタイミングで、ご新婦よりこっそりご相談を受けました。ご新郎のお母様から相談をされたとのことです。お話を伺うと、新郎にはサプライズで結婚式の中で「ジャケットセレモニー」を行いたいとのことでした。お母様は、息子の晴れの日に、母として何か特別なことをしてあげたいと考え、ご新婦に相談されたのです。ご新郎に直接伝えると、恥ずかしいと言われ断られそうだからと、新婦を通じて内緒で計画されました。

「ジャケットセレモニー」とは、ご新郎が入場時にお母様からジャケットを羽織らせてもらうという、母から息子への「いってらっしゃい」の気持ちを込めた儀式です。新郎が人生の新しいステージへと旅立つ瞬間に、母親の手でジャケットを着せてもらうことで、ご新郎とお母様の気持ちに一区切りをつける意味が込められています。

いよいよ結婚式当日。新郎が入場する直前に、スタッフがジャケットセレモニーのことを新郎に伝えると、新郎は少し驚いた表情を見せながらも、すぐに理解し、母の前で背中を向けて静かに待ちました。お母様はゆっくりとジャケットを羽織らせ、その後、優しく襟元を整えました。

そして、新郎は歩き出そうと前を向きましたが、ふと何かを思い出したかのように、再び母親の方へ振り返りました。その瞬間、心の中に感謝の気持ちが溢れ、言葉では表せない感情がこみ上げてきたのです。新郎は母をしっかりと抱きしめました。これまでの思い出や、無償の愛に対して、自然に「ありがとう」の気持ちが湧いてきたのです。

お母様も息子を包み込むように抱きしめ返し、二人の間には言葉を超えた深い絆が感じられました。その後、新郎は前を向いてバージンロードを進みましたが、母親は涙を浮かべながら、その背中を見守りました。母親の涙には、息子の成長を喜ぶ気持ちと、少しの寂しさが入り混じっていたのでしょう。その一瞬のセレモニーは、家族の深い愛情と絆が溢れる、感動的な場面でした。

チャペルディレクター 中島より

花嫁相談 編集部

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