家庭の味が繋ぐ結婚の誓い

家庭の味が繋ぐ結婚の誓い
感動ストーリー100

挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。

最近では、神前式やキリスト式に加え、ご新郎ご新婦が自分たちのスタイルで結婚を誓う「人前式」が人気を集めています。この形式は、親しい家族や友人の前で愛を誓い合い、自由な演出や言葉が使えることが特徴です。

今回ご紹介するのは、その人前式での出来事です。当日、結婚式は温かな雰囲気の中で進行しました。ご新郎ご新婦はリラックスした様子で、それぞれの親御様や参列者の前に立ち、自分たちらしいスタイルで愛を誓い合います。特に印象的だったのは、両家の親御様から投げかけられた「誓いの言葉」でした。

ご新郎のお母様が最初にご新婦へと問いかけます。

「○○さん(ご新婦のお名前)、○○(ご新郎のお名前)が疲れたとき、彼に味噌汁を作ってあげてくれますか?」

と優しく微笑みながら質問されました。

突然の質問に、ご新婦も一瞬驚いた表情を見せましたが、すぐに微笑んで「はい、作ります」と力強く答えました。その返事を聞いたご新郎のお母様はにっこりと笑い、何と着物の袂から小さな袋を取り出したのです。会場がざわつく中、その袋の中から出てきたのは、手作りの味噌でした。

「よかったら、これを使ってね」と、ご新婦にその味噌を手渡すご新郎のお母様。

会場全体が驚きとともに温かな笑いに包まれました。その味噌は、ご新郎のお母様が自宅で丁寧に仕込んだもので、ご新郎が幼い頃から慣れ親しんできた家庭の味だったそうです。

それをこのような形でご新婦に手渡したお母様、新しい家族の一員として、家庭の味が引き継がれていくという深い意味が込められていたのです。ご新婦はその味噌を大切に受け取り、

「ありがとうございます。大切に使わせていただきます」と感謝の気持ちを伝えました。

ご新婦がご新郎のお母様から受け取ったのは、ただの味噌ではなく、その家族に代々受け継がれてきた愛情と伝統。ユーモアをまじえながら、家庭の味や家族の絆が新しい夫婦の生活に自然に溶け込んでいく瞬間を象徴するものでした。

これから二人が築いていく家庭に、そんな温かな味が引き継がれるのだと思うと、誰もがほっこりとさせられ、感動せずにはいられなかったのです。その後も結婚式は和やかに進み、誓いの言葉が交わされる中、ご新郎ご新婦は終止笑顔を浮かべ、参列者たちもまたその姿に微笑んでいました。

チャペルディレクター  槌屋より

花嫁相談 編集部

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