母の願い、娘の想い
挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。
仕事中心だったご新婦にとって、これまで良いご縁がありませんでした。しかし、大切に見守ってくれたお母様が大病を患ったことを機に、ご新婦は婚活を始めることを決意。そして、結婚相談所に入会から3ヶ月でご新郎と出会い、半年後には結婚を決められたそうです。
「結婚を待ち望んでいた母には、どうしてもベールダウンをしてもらいたいです。」
打合せの時、ご新婦が強く望まれていたことでした。
結婚式当日、挙式が始まり、新婦は少し緊張した面持ちでチャペルの中へと進みました。その中で、花嫁仕度として、ベールダウンの瞬間が訪れました。お母様とゆっくりと向かい合い、お互いの顔を見たその瞬間、二人の目には涙があふれました。お母様は、ご新婦の花嫁姿を目にし、この日を迎えられたことへの感動が胸に溢れてきました。
そして、ご新婦に一言。「幸せにね」
そのシンプルな言葉には、お母様の全ての想いが込められているようでした。
ご新婦は「ありがとう」と、小さな声で言いました。 その言葉には、お母様への感謝と、これまで支えてくれた全ての思い出が詰まっているかのようでした。
ご新婦はお母様を強く抱きしめました。お母様もまた、涙を流しながら娘を力強く抱きしめ返しました。
その後、ご新婦はお母様に背を向け、愛するご新郎の元へ一歩一歩進み始めました。 その後ろの姿には、これからの新しい人生への覚悟が感じられました。そして、ベールは、まるでお母様が花嫁を守るための象徴のようで、柔らかくご新婦を包み込んでいました。
チャペルには優しい光が差し込み、ご新婦の歩く姿を照らしていました。その光の中で、ベールがふんわりと揺れ、お母様の愛情が形となって花嫁を包んでいるかのようでした。この光景を目にして、私もその場で涙が止まりませんでした。 親子の深い絆、そしてお母様の愛情を受けながら、新しい人生の一歩を踏み出す花嫁の姿に、心からの感動しました。
チャペルディレクター 川上より