パパ、ママありがとう

パパ、ママありがとう
感動ストーリー100

挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。

ご新婦は22歳、社会人になって2年目を迎えたばかりでした。ご新婦が運命の出会いをしたのが、同じ職場で3つ年上の先輩であるご新郎でした。仕事を通じて少しずつ絆を深め、共に時間を重ねるうちに、お互いの大切さが心に強くなりました。そんな折、小さな命が新婦のお腹に宿り、二人は結婚と出産という新たな人生のステージへと進んでいくことを決意しました。

その喜びの反面、新婦は不安や心配も抱えていました。新しい命を授かることへの責任、そして若さゆえの迷いもあったことでしょう。しかし、新郎はその全てを包み込むように、彼女を支え、共に未来を歩む準備をしてきました。

ついに迎えた結婚式の日のこと。式場では、開式前の静かなひとときが流れていました。スクリーンに映し出されるのは、家族との思い出の写真や映像。ご新婦の幼少期から成長し、大人になるまでの過程が鮮明に映し出され、家族全員の心に温かい感情が蘇りました。

扉がゆっくりと開かれ、新婦は両親の前に立ち、深く息を吸ってから感謝の言葉を口にしました。

「パパ、ママ、たくさん心配かけちゃってごめんね。そして、いつも私を支えてくれて本当にありがとう。」

その言葉を聞いた瞬間、会場に静かな感動の波が広がりました。

お父様はそっと眼鏡を外し、ハンカチで涙を拭き取りながら微笑んでいます。お母様も、これまでの思い出が走馬灯のように頭を駆け巡り、目の前に立つ娘の姿に、こみ上げる感情を抑えきれずに頬を濡らしました。親としての誇りと感謝、そして寂しさが入り混じった表情が、二人の顔に浮かび上がります。

ご新婦は、両親の様子を見てさらに涙をこらえきれなくなり、目尻に溢れる涙を拭いながら、再び深くお辞儀をしました。彼女の心には、これまでどれだけの愛情と支えを受けてきたかが、今この瞬間により鮮明に感じられたのでしょう。両親への感謝の気持ちが、次第に会場全体へと伝わっていき、ゲストの目にも涙が浮かび始めました。

その後、ご新婦はそっと顔を上げ、優しく微笑んで両親を見つめます。お父様とお母様もそれに応えるように、目を潤ませながら微笑み返しました。その視線の交錯には、言葉では表現しきれない深い絆と愛が込められていました。まるで、時間が一瞬止まったかのようなその瞬間、会場はいっぱいの愛情に包まれていました。

チャペルディレクター 中島より

花嫁相談 編集部

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