はじめてのプレゼント
挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。
それは、結婚式という特別な日に、ご両親から初めてプレゼントされた「名前」をもう一度呼んでもらうという、とても素敵な演出が取り入れられたものでした。ご新婦にとって、名前は両親からの最初の贈り物であり、その名前を呼んでもらうことで、自分がこの世に生を受け、愛されて育てられた過去を振り返る特別な時間が作り出されました。
挙式が始まり、チャペルが静かに包まれる中、ご新婦がご両親の前に立ちました。お父様とお母様が、ご新婦の名前を優しく呼びかけると、その瞬間、ご新婦の表情に少し照れくささが滲み出ました。しかし、その照れた笑顔には、これまでの感謝や愛情が詰まっており、今まで見たことのないほどの美しさが溢れていました。名前を呼ばれた瞬間、ご新婦の胸には、幼少期から今日に至るまでの愛情が一気にこみ上げてきたことでしょう。
そして、その後、ご新婦はお父様のエスコートを受け、ゆっくりとバージンロードを歩み始めました。そこにはさらに特別な演出が用意されていました。バージンロードの両脇には、ご新婦の家族の思い出が詰まった写真が飾られていたのです。それらの写真には、ご新婦が幼少期から成長する過程で家族と過ごした貴重な時間が映し出されており、一枚一枚に家族の愛と絆が感じられました。
ご新婦とお父様は、歩を進めながらその写真に目を向け、二人とも何度も足を止めては、写真に映る幸せな瞬間を噛みしめているようでした。小さな頃の笑顔、家族で過ごした休日の楽しそうな様子、ご両親と手をつなぎながら初めて歩いた道、そのすべてが写真に詰まっていました。ご新婦は時折、目頭を押さえながら、お父様と静かに言葉を交わしていました。
その一瞬一瞬は、ご新婦にとっても、ご両親にとっても、まさに家族の歴史と深い愛情の重みを感じる時間でした。バージンロードを歩くご新婦とお父様の姿は、これまでの家族の絆を改めて感じさせ、会場全体が温かく優しい雰囲気に包まれていました。
この特別な瞬間を共有していたゲストの皆様も、思わず涙を流していました。多くの方々が、ご新婦とその家族の深い絆に心を動かされ、親子の絆や愛情を自らの人生に重ね合わせて感じていたのでしょう。
最後に、バージンロードを歩き終えたご新婦は、改めてお父様に感謝の気持ちを込めて「ありがとう」と小さな声で伝えました。お父様は静かに微笑みながら、ご新婦の手をそっと握り返しました。二人の間には言葉はなくても、その絆と愛情が強く伝わる瞬間でした。
この挙式の演出には、両親から最初にプレゼントされた「名前」、その名前をもう一度両親に呼んでもらうことで、これまでの歩みを振り返りながら家族の絆を再確認する、感動的な時間が作り上げられていました。ゲストの皆様にも、その温かい家族の愛情が強く伝わり、会場全体が涙に包まれるほどの感動的なシーンとなりました。
ご新婦にとって、このバージンロードを歩く時間は、これまで支えてくれた家族への感謝の気持ちと、これから新しい人生を歩み出すための決意を込めた、大切な瞬間となったことでしょう。そして、私たちプランナーもその感動的な場面に立ち会えたことに、深く感謝し、心から幸せな気持ちでいっぱいになりました。
チャペルディレクター 竹下より