三人での約束

三人での約束
感動ストーリー100

挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。

結婚式の準備が順調に進む中、ご新婦の妊娠が分かり、おふたりはその知らせに心から喜んでいらっしゃいました。新しい家族を迎える期待と幸せで胸がいっぱいだったおふたり。しかし、その喜びは長く続かず、悲しい知らせが届きました。ご新婦は流産され、二人は深い悲しみに包まれました。

妊娠のことは親御様を含め誰にも話しておらず、赤ちゃんを失ったことも、誰も知りません。おふたりと担当プランナーの私だけがこの悲しみを共有していました。おふたりは辛い現実に向き合いながら、それでも結婚式の準備を進めていました。

「赤ちゃんの存在を忘れたくない」
おふたりはそう強く思い、結婚式で何か特別な形で赤ちゃんを感じられるような方法を探し始めました。家族として赤ちゃんを大切に心に留めながら、二人ではなく三人で式を迎えたいという願いが込められていました。

結婚式当日、ご新郎ご新婦が結婚証明書に署名される際、そっと一枚のエコー写真をその証明書に添えました。その写真は、まだお腹の中にいたころの赤ちゃんの姿を写したものです。参列者の皆様には見えない形で、おふたりだけが感じる特別な証として添えられました。二人ではなく、三人でこの結婚の誓いを立てたい、という深い願いが込められていたのです。

式が進む中、大勢の参列者から祝福を受けながらも、おふたりの心の中には「天国で赤ちゃんも見守ってくれている」という思いがありました。目には見えないけれど、確かにその場にいた赤ちゃんの存在を感じさせ、おふたりは静かにその赤ちゃんにも感謝を伝えながら誓いを交わしました。

こうして、結婚証明書に添えられたエコー写真は、永遠におふたりの心の中で大切な思い出として刻まれました。この特別な日、見えないけれど確かにそこにいた三人目の存在が、永遠におふたりの心に残ることでしょう。

おふたりの強い絆と赤ちゃんへの深い愛が、この結婚式において特別な感動を呼びました。私もその場に立ち会いながら、胸を打たれました。おふたりの愛があふれる感動的な瞬間であり、この日の思い出は永遠に心に残るものとなりました。

チャペルディレクター 熊木より

花嫁相談 編集部

花嫁相談 編集部 現役プランナーで構成する花嫁相談編集部。結婚準備を楽しく悩みの解決に役立てていただける記事を配信しています。 ここに無い質問やご相談はお気...

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