父の無償の愛と感謝の祝福
挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。
今回ご紹介するのは、お母様を幼い頃に亡くし、お父様が男手一つで娘を育て上げたご新婦の結婚式です。ご新婦にとってお父様は、唯一無二の支えであり、限りない愛情を注いでくれた存在でした。挙式の日、ご新婦がバージンロードを歩くとき、父娘の深い絆が感じられ、特別な時間が流れました。
式の最中、司式牧師が新郎新婦のこれまでの歩みについて話し始めると、その言葉がご新婦だけでなく、参列者全員の心にも深く響き渡りました。司式牧師はご新婦の幼少期について触れ、こう語りかけました。
「貴女は幼い頃にお母様を亡くされ、大きな寂しさを抱えていたことでしょう。しかし、その中でもお父様は絶対的な信頼と無償の愛で貴女を包み、温かな日々を送ってこられました。お父様もまた、お母様を亡くされた悲しみを胸に秘めながら、貴女に寄り添い、貴女のために努力を重ねてこられました。その無償の愛に感謝し、貴女がこれから幸せになることで、その思いに報いてあげてください。」
ご新婦はその言葉を聞きながら、幼い頃からお父様に支えられた日々を思い出していました。どんなに寂しくても、お父様の愛情がご新婦を支え続けたことが今も胸に刻まれています。そして、涙が頬を伝うのを感じながらも、温かな感謝の気持ちが込み上げてきました。
司式牧師はさらに、お父様に向けてこう続けました。
「お父様、本日はおめでとうございます。大切に育て上げたお嬢様の晴れ姿はいかがでしょうか?時には心が通い合わず、迷いや戸惑いの日々もあったかと思います。お母様がいてくださったら、と思う瞬間も多くあったでしょう。しかし、今日までのお二人の時間は、誰にも代えられない宝物です。お父様、娘さんと二人三脚でここまでよく頑張りましたね。本当にお疲れ様でした。」
その瞬間、お父様は目に涙を浮かべ、深く頷きました。これまでの苦労や想いが込み上げ、娘を見つめる表情には、言葉にできないほどの感謝と喜びが溢れていました。周りのゲストたちも、その姿に胸を打たれ、涙を流す人も少なくありませんでした。
そして、ご新婦もまた、お父様への感謝を胸に秘めながら、優しい笑顔でお父様の手を取り、最後の一歩を共に歩んでいきました。その瞬間、二人の間に流れる無言の会話が、これまでの苦労と愛情を象徴しているかのようでした。
挙式に参加した全ての人々が、その父娘の絆に深く感動し、式場全体が温かな雰囲気に包まれていました。お父様が娘に注いだ無償の愛と、その愛に応えたご新婦の姿が、この特別な日により一層の感動を与えたのです。司式牧師の言葉は、まるでお父様への祝福のメダルのように輝き続け、その瞬間を誰もが忘れられないものとしました。
チャペルディレクター 田中より