Q72 遠方からくるゲストのお車代どうすればいい?

結婚式でお車代をお母さんから友達に渡す
しきたり・マナー

打合せの中で「お車代」はご準備されますか?と聞かれたとき、これって必要なの?と思ってしまいました。そもそもお車代ってどんな場合に用意をするものなのでしょうか。

結婚式を行うにあたり、「お車代は必要ですか?」というご質問は、新郎新婦のおふたりからよく寄せられる上位の疑問のひとつです。日本には、相手の気持ちを察し、さりげなく思いやりを形にする美しい風習が数多くあります。結婚式におけるお車代も、そんな“相手を思いやる心”を表す文化のひとつです。遠方から、早くから予定を調整して駆けつけてくださるゲストに対し、そのお気持ちに少しでも報いたいというおふたりの優しさが込められています。

もちろん、お車代を用意しないからといって“気遣いが足りない”ということではありません。ただ、「自分がゲストとして参列する立場だったら、どうしてもらえたら嬉しいか」という視点で考えると、自然と答えが見えてくるかもしれません。

遠方ゲストは、お祝いと共に交通費・時間・労力をかけて来てくださっています。親しい間柄であれば「喜んで行くよ!」と言っていただけると思いますが、親しいからこそ丁寧な気遣いは大切です。“親しき仲にも礼儀あり”の考え方は、結婚式でもとても重視されます。

例えば、宿泊が必要な距離から来ていただく場合は、交通費の代わりに宿泊費を負担するケースもあります。ご親族の場合は、これまでのお付き合いや今後の関係も踏まえる必要があるため、親御様へ相談するのが最も安心です。ご家族同士でのルールがある場合もあり、親御様のアドバイスは大きな助けになります。

職場の上司を招待する場合は、すでに結婚式を経験されている先輩方や同僚に相談してみると適切なラインが見えてくるでしょう。社会的な立場や関係性に合わせた対応が求められる場合もあるため、周りの経験談は非常に参考になります。

ご友人に関しては、一般的には「交通費の半額」をお車代として包むケースが多いです。すでに自分が友人の結婚式に招かれた経験があれば、その時の対応がひとつの判断材料になります。ただし、こちらが手厚くしていただいた場合は、その時と同等か、それに準ずる形で返すのが礼儀です。一方で、過度すぎる対応は、これから結婚するかもしれない相手に負担をかけてしまう場合もあるため、やり過ぎには注意が必要です。

【お車代のお渡しの仕方】
本来はおふたりが直接感謝の気持ちを込めてお渡しするのが理想です。しかし結婚式当日の新郎新婦はとても忙しく、動き回っているため、なかなか時間が取れないこともあります。また、直接渡すと遠慮されてしまう可能性もあるため、最近は「受付を担当する友人に託す」パターンが増えています。渡す相手が分かるように、受付のチェックリストと封筒の両方に名前を明記しておくと安心です。

親御様が直接手渡しされるケースもあります。その際は丁寧に御礼を伝えることができますが、“全員に渡すわけではない”ため、タイミングや場所への配慮が必要です。誰が対象で、どの場面で渡すのか、事前に確認しておくとスムーズです。

【「お車代」の考え方】
お車代は「気持ち」を形にしたものであり、明確な金額のルールはありません。だからこそ迷いやすいのですが、“大人のマナー”として大切なのは「相手を思う心」です。距離や関係性、これまでのお付き合い、そのゲストの負担――これらを総合的に考え、おふたりが「これが一番丁寧だ」と思えるかたちを選ばれると良いでしょう。

結婚式は、おふたりと大切な人との絆が深まる一日です。ぜひ心地よい形で「ありがとう」の気持ちを伝えてくださいね。

イラストtocco

\大人の心配り/

寺谷 晶子

ウエディングプランナー 出身地 東京都 「ふたりに寄り添い、大切な結婚準備〜結婚式をお手伝いします」 ゲストハウスの立ち上げ〜レストランウエディングなどプラ...

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