誓いのキス
挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。
誓いのキスには、その前に交わされた誓いの言葉を口づけによって封じ込めるという意味があります。その瞬間に込められた二人の想いが永遠に続くように、という願いがそこには込められています。これはお互いの誓いを深く心に刻むための、大切な時間です。
式が進み、牧師先生から「それでは、誓いのキスを」と促されたそのとき、ご新郎は少し緊張した面持ちで、ご新婦に向き合いました。チャペル内の空気に緊張感があり、参列者全員が次の瞬間、息をのんで見守っていました。新郎新婦の前に広がるその静けさは、まるで二人だけの特別な空間を作り出したかのようでした。そんな中、ご新郎がそっとご新婦に顔を寄せ、誰にも聞こえないくらいの小さな声でこうささやかれました。
「幸せになろうね。」
その言葉に、ご新婦の目には涙が浮かびました。それは、今までの思い出や二人の未来への期待、すべてが一言に込められた瞬間でした。おそらくご新郎も心の中で緊張を抱えていたことでしょう。しかし、その緊張の中でも落ち着き、愛する人にこの先の幸せを約束する言葉をかけられる姿に、私は深く感動しました。
ご新郎の優しいささやきに応えるように、ご新婦は小さく頷き、涙で潤んだ目で微笑みました。その一瞬の間に、特別な空気が流れました。そして、ご新郎はゆっくりとご新婦に口づけをし、二人の誓いの言葉を永遠に封じ込めたのです。
そのキスは、ただ形式的な儀式ではなく、心からの誓いを込めた深い愛情の表現でした。その場にいた全員が、その重みのある誓いを感じ、二人の愛がこれからも強く続いていくことを確信した瞬間でした。会場全体が、その美しい愛の瞬間に胸を打たれ、自然と拍手が湧き上がりました。
新郎新婦の間に流れた静かな時間、その時間が全ての参列者にも共有され、心に深く響いたのです。その瞬間を目撃した者として、私はこの二人の愛の深さと、それを支えるお互いへの信頼に感動を覚えました。誓いのキスの本当の意味を体現した二人の姿は、今後の結婚生活においても互いに寄り添い、幸せを築いていくこと思います。
「幸せになろうね」というシンプルな言葉。しかし、その言葉には、お互いを想う深い愛情と未来への強い決意が込められているように思いました。
チャペルディレクター 末木より