姉弟の深い絆
挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。
とても素敵なご新婦と、ご新婦の弟さんに出会いました。ご新婦は弟さんとの二人姉弟で、弟さんは五つ年下。「年が離れているから、余計に可愛くて」と、打ち合わせの際も笑顔で語っていたその表情から、ご新婦がどれだけ仲良いかが伝わってきました。二人で買い物にもよく二人で出かけるそうです。二人で歩いているとカップルと間違われることも多かったとか。その話をしているときのご新婦の笑顔は、弟さんとの関係がどれほど大切であるかを物語っていました。
ご新婦は、大きな目に整った美しい顔立ちをされていました。メイクさんも「元々お肌が綺麗で、お顔の作りが整っているのでメイクをしなくても」と話していました。そんな姉を持つ弟さんは、どのような方だろうと期待しつつ待っていると、弟さんもとてもスラリと背が高く、イケメンな方でした。ご新婦に似て、とても整ったルックスで、姉弟揃って素晴らしい美しさでした。
挙式当日、弟さんは姉の様子が気になるのか、式場内をそわそわと歩き回っていました。どこか落ち着かない様子で、姉を心配している様子が見て取れました。姉弟の絆が、こんな小さな仕草からも伝わってきて、胸が温かくなりました。
挙式の時間が近づくと、参列者をチャペルへ誘導していきました。まず新郎側のご親族をご案内し、その後に新婦側のご親族をチャペルへとご案内していきました。その時、目に入ったのは弟さんの姿。背筋を伸ばし、スタイルが良く、目を引く存在でした。
そんな弟さんが、
「えー、始まっちゃうのぉ。いやだなぁ。泣いちゃうよ〜」
周囲の人に聞こえるくらいの声で話されていました。まるで少年のように素直で、弟さんの外見からは想像できないような、とても可愛らしい言葉に、思わず笑みがこぼれました。
その様子を、ご入場前のご新婦様にお伝えすると、ご新婦は少し驚いたようでしたが、次第に照れたような、しかしどこか嬉しそうな表情を浮かべました。
「なんか、もう泣いてたって聞いて・・」
と、嬉しさと照れが混じった声で、言葉を漏らしていました。その瞬間、彼女にとって弟がどれほど大切な存在であり、どれほど深い関係であるかが感じられました。
挙式が進む中、弟さんの目は赤くなり、涙が溢れ出ていました。
式が終わり、フラワーシャワーの瞬間。弟さんの目は赤く腫れ上がり、涙の跡が残っていました。その様子からは、姉を心から愛し、祝福している気持ちが伝わってきて、とても温かい気持ちになりました。フラワーシャワーを浴びるご新婦を見つめる弟さんの姿はどこか寂しそうな、複雑な感情が混じったものでした。それでも、彼の目には姉の幸せを心から願う気持ちが溢れていて、その優しさに胸が打たれました。
姉弟の深い絆が、結婚式の至る所で感じられた一日でした。
いつか弟さんにも、お姉様のような素敵なパートナーが現れる日が訪れることを、心からお祈りしています。その日には、また同じように、弟さんの大切な人を涙ながらに祝福する姿が見られることでしょう。その光景を想像するだけで、温かい気持ちでいっぱいになりました。
チャペルディレクター 末木より