誓いの手紙
挙式に携わる私達が目にした、感動レポートをご紹介します。全て実話です。
結婚式の4ヶ月前、ご新婦に新しい命がやどっていることがわかりました。新郎新婦にとって嬉しい知らせである一方、妊娠初期のつわりがご新婦を苦しめていました。体調が優れず、仕事を休んで寝込む日々が続く中、 ご新郎とご新婦は互いに支え合いながら結婚式の準備を進めていきました。
そしてなんとか迎えた結婚式当日。
ご新婦の体調は落ち着き、窓の外には青々とした空がひろがっていました。二人は「人前式」でゲストの前で愛を誓います。ゲストがあつまり、温かい雰囲気に包まれた会場に新郎新婦が少し緊張した様子で入場します。周囲の温かい視線がふたりを迎え、会場は幸せに満ちていました。
誓いのセレモニーの一環として、ふたりはお互いに手紙を書くことにしました。手紙は二人がそれぞれに書き、当日初めて相手に向けて読むものでした。
二人が初めて出会ったときのこと、緊張してどう話したらよいのかわからない新郎に対し、新婦はニコニコとした表情で新郎の話を聞いてくれたこと、それから話がつきないほど盛り上がったこと。真夏のデートでは灼熱の太陽の下、汗をかきながらも二人笑顔を絶やさず、楽しい時間を過ごせたこと。
そして、妊娠がわかってから、体調が優れずにつらい時期を、お互いが思いやり、支えあって今日を迎えられたことへの感謝の気持ち。お互いの思いを込めた手紙は、二人のこれまでの思い出や感謝の気持ちであふれていました。そして、示し合わせたわけではなく偶然に、それぞれが相手に何かを求める言葉ではなく
「妻として何をしてあげられるか」「夫として何をしてあげられるか」という言葉がつづられていました。
二人の手紙には、どちらも相手を思いやる温かな言葉が満ちており、その愛の深さを物語っていました。手紙を交換した後、ご新郎とご新婦は互いの手をしっかりと握り合い、深い絆で結ばれたことを実感されていました。お互いの思いが結ばれた誓いの言葉。会場にいる全ての人々が感動し、温かい拍手が響き渡りました。大切なゲストに見守られ、お互いを思いあう誓いの手紙の結婚式は、二人にとって特別なひと時となりました。
つわりが辛い時に相手を思いやり、支え合ったように、 これからの未来に待ち受ける様々な試練を共に乗り越え、やがて新たな命を迎え、 幸せな家庭を築いていくことを誓ったお二人らしい優しく温かい結婚式となりました。
チャペルディレクター 佐藤より